外国為替取引とは?

世界では様々な通貨が流通しており、自国以外の国の通貨を外貨と呼びます。そして、異なる通貨同士の交換を「外国為替」と呼んでいます。

為替地図

そもそも「為替」とは

もともと「為替」とは、小切手や手形などを利用して現金を動かすことなく代金の支払いや受け取りを行うことをいい、このうち国内でのやりとりである「内国為替」に対して、海外とのやりとりを「外国為替」といいました。

「外貨交換」を意味する「外国為替」

しかし現在では、海外旅行に行く時に旅行先の国の通貨を自分の国の通貨と交換する手続き、例えば銀行で日本円を米ドルと交換する『外貨交換』の意味で「外国為替」は使われるようになっています。

例えば

  • 円を手放してドルを手に入れることを「ドルを買う(円を売る)」
  • 逆にドルを手放して円を手に入れることを「ドルを売る(円を買う)」

といいます。また、この時の交換比率を、外国為替相場(外貨レート、為替レート)と呼びます。

単に「ドル」とだけいう場合には、一般的に基軸通貨である「米ドル」のことを指します。

為替取引の特徴

取引が行われる時間

市場のスケジュール

外国為替取引は世界中で行われているため、自国の市場が閉まっていても他国で開いている市場で取引を行うことが可能です。

時差の関係でニュージーランドのウェリントン市場から始まり、シドニー・東京・香港・シンガポール・ヨーロッパ・ロンドン・ニューヨークと順次市場が開き、ニューヨークが閉まるこ ろには翌日のウェリントンが開いているというように24時間どこかの国の市場が開いて取引が行われているのです。

外国為替市場は「眠らない市場」と言われ、24時間取引が行われています。

また、東京・ロンドン・ニューヨークは3大市場と言われ、外国為替取引の中心マーケットとなっています。

取引が行われる場所「外国為替市場」とは

外国為替の取引が行われている場を「外国為替市場」と呼びますが、取引所など特定の場所に人が集まって取引を行っているわけではありません

「外国為替市場」とは、市場に参加している人々全体を指して呼んでいるのです。

外国為替市場の相関関係

外国為替市場は、主にインターバンク市場対顧客市場に分けられます。

インターバンク市場

インターバンク市場は、銀行や信用金庫、証券会社、仲介業者の他、場合によっては日本銀行も加わる、金融機関同士による取引です。

電話やコンピューターなどの専用通信回線を利用しながら外為ブローカーなどを通じて、直接取引する相対取引(あいたいとりひき)です。

対顧客市場

一方、対顧客市場は銀行が顧客と取引する市場のことで、個人投資家の他に一般の企業や機関投資家、ヘッジファンドなどが加わる取引です。

通常語られるのは、インターバンク市場

一般的に、ニュースなどで「東京外国為替市場の円相場は・・・」などという場合は、インターバンク市場のことを指しています。

世界の為替市場時間

矢印のセルが当該市場の取引がオープンの時間帯を表しています。

為替市場の時間

※GMT=グリニッジ標準時
※サマータイム適用の場合、上記の時間から更にプラス1時間(例:東京が正午の時、サマータイムのニューヨークは午後23:00

外国為替取引の魅力とリスク

外国為替取引にはいくつかの種類があり、それぞれにメリットがあります。

例えば外貨預金の高金利や、証拠金(保証金)取引でのレバレッジ効果、スワップポイントの授受など、さまざまな魅力があり、有効な資産運用の手段といえるでしょう。

外国為替取引のメリット

しかし、相場の変動がいつも思いどおりに動くとは限らず、損失が発生してしまうこともあります。

為替レートには、証券取引や商品先物取引とは違いストップ高やストップ安などの値幅制限がありません。このために、大きな利益が期待できる反面、多大な損失が発生する可能性もあります。

上記のような取引の仕組みやリスクもしっかりと理解したうえで、外貨取引をご利用ください。

※上記の他にもリスクはさまざまあり、後日の回(「ポートフォリオ」の「リスクとリターン」の回)でも説明します。

外国為替取引を行う際には、内容をよく理解して自己の責任において取引してください。

スワップポイントについて

スワップポイント(金利差調整分)とは?

日本円と米ドル、もしくは日本円とユーロなど異なる通貨間の金利(年利回り)格差から発生する値を、ロールオーバーする日数あたりの数値に換算したものを「スワップポイント(金利差調整分)」といいます。

ロールオーバーとは

受渡し決済を繰り延べることをいいます。

外国為替のインターバンク市場では通常、2営業日後に現物(キャッシュ)の受渡しが行われます が、その受渡しを毎日繰り延べていく(ロールオーバー)することにより、現物通貨の交換を行うことなく、ポジションを維持することができます。

このため実際の決済までは、時価総額分の総代金を必要としません。現物の受渡しによる決済の期限を気にすることなく、いつでも反対売買による差金決済を行うことが可能となります。

スワップポイントの受払い

スワップポイントの受払いについては、取引する通貨間の金利と持っている建玉(ポジション)によって変わります。

現在のように米ドル、ユーロの金利が日本円を上回る状況では、米ドル、ユーロ買いのポジションを持つとスワップポイントを受取り、米ドル、ユーロ売りではスワップポイントを支払うことになります。

ただし、金利水準が大幅に変動することで、スワップポイントの受払いの立場が逆転する場合があります。

※商品ごとによってスワップポイントの発生期間、提示レートや受払いの方法などが異なります。