FXのリクイディティ・プロバイダー(LP)とは何ですか?LPの違いは、どんなことに影響を与えますか? 目次

  1. FXのLPとは?
    1. 為替レートの提供元
  2. LPの一覧
    1. 日本のリクイディティ・プロバイダー
  3. LPで配信レートに差
  4. 取引プラットフォームとLP
  5. LPの公開の是非

FXのリクイディティ・プロバイダーとは?

FXのリクイディティ・プロバイダーとは、FX会社(FXブローカー)が取引プラットフォームで配信する為替レートの配信元のことです。

リクイディティ・プロバイダー(Liquidity Provider)は、マーケット・メーカー市場提供元と呼ばれたり、省略してLPと呼ばれたりします。

NDDと呼ばれるLP直結の注文処理方式を採用する多くの海外FX業者(海外FXブローカー/海外FX会社)では、トレーダーが注文を出すと注文がそのままリクイディティ・プロバイダーに流されます。

無事に注文が受け付けられたら約定します。

リクイディティ・プロバイダーがFXの為替市場(FXのマーケット)ということです。

為替レートの提供元はFX会社ではない

FX会社で取引口座を開設して取引を始めた場合、FXの取引プラットフォーム上に表示されている為替レートはリクイディティ・プロバイダーが配信をしています。

前述のとおり、NDD(ノーディーリングデスク/No Dealing Desk)方式を採用している海外FX業者では、トレーダーはリクイディティ・プロバイダーを相手に注文を送り取引を行います。

NDDとは、ノーディーリングデスク(No Dealing Desk)の略です。

参考:海外FX業者の詳しい仕組み – NDD、DD(OTC)ほか

リクイディティ・プロバイダーの一覧

以下は、海外FX業者のリクイディティプロバイダーとしてはよく掲載されている銀行や証券取引所などの金融機関です。

  • Dukascopy(デュカスコピー)
  • PrimeXM(プライムXM)
  • Barclays(バークレイズ)
  • UBS
  • CurreneX(カレネックス)
  • CitiFX Pro(シティFXプロ)
  • Credit Suisse(クレディスイス)など

特にPrimeXMBarclaysは、みんなで海外FXに掲載されている海外FX業者の公開情報にも含まれるので、ご存知の方も多いかもしれません。

また、CurreneX(カレネックス)は、取引プラットフォームも提供しており、Tradeview(トレードビュー)FXDDなどで使えたりします。

Currenexは、以前はViking(バイキング)というソフトの名前でした。

日本の証券会社も海外FX業者のリクイディティ・プロバイダーにいる

日本国内では、野村(Nomura)SBIリクイディティマーケットなどが有名です。

リクイディティ・プロバイダーが集まり、リクイディティ・プールとも呼ばれる集合体となり、そのFX会社での為替市場が形成されます。

リクイディティ・プールへの参加は国内や海外などの区別はなく、FX会社ごとに参加企業は異なります。

日本の国内FX業者くりっく365のリクイディティプロバイダーこちらの公開ページです。取次参加者の次の項目「マーケットメーカー」がくりっく365におけるリクイディティ・プロバイダーにあたります。

リクイディティ・プロバイダーで配信レートに差がある

リクイディティ・プロバイダーは、上記の例以外にも世界中に無数にあります。

取引所の体(てい)をして営業をしているリクイディティ・プロバイダーなど、その様態も様々です。

そして、リクイディティ・プロバイダーを理解するうえで重要なポイントは、リクイディティ・プロバイダーごとに配信レートが違うことです。

この違いがFX会社の取引プラットフォームで配信されるスプレッドに影響を与えます。

多くのリクイディティ・プロバイダーとの接続があるほど、取引できるマーケットが広がり、相対するトレーダーを含む取引先が増えて、有利なスプレッド(有利な価格)が配信される可能性が高まります。

リクイディティーも増えるとも表現できます。

取引プラットフォームごとにリクイディティ・プロバイダーが違う

FX・CFDの取引プラットフォームでは、プラットフォームごとに対応できる仕様やシステム、ライセンスなどFX会社の都合に沿った形でリクイディティ・プロバイダーと接続します。

そのため、MT4(メタトレーダー4/MetaTrader4)とMT5(メタトレーダー5/MetaTrader5)は同じメタトレーダー・シリーズで一見して同じ見えます。

しかし、同じFX会社のMT4とMT5でも接続するリクイディティ・プロバイダーが違う可能性があり、配信レートやスプレッドに差が生まれることがあります。

MT4とMT5の配信レートの差は、この両方を提供している海外FX業者などでご確認ください。

取引プラットフォーム(取引ソフト/取引ツール)ごとに配信レートが異なっても、それだけでストップ狩りやVDP(ヴァーチャル・ディーラー・プラグイン)などを疑うのは無駄です。

リクイディティ・プロバイダーの公開の是非

昨今、海外FX業界は、透明性・公平性を求めるようになり、それに伴っていくつかの海外FX業者では、リクイディティ・プロバイダー(LP)の公開を透明性や信頼性の証明のようにうたい実際に公開しています。

契約先のリクイディティ・プロバイダーの公開は特別なことでは無くなりつつあります。

海外FX業者がどこのリクイディティ・プロバイダーと契約しているかという情報は、本来、契約により公開できないことが普通です。

リクイディティ・プロバイダーを公開しているFXブローカーが特別であり、現在も「リクイディティ・プロバイダーを公開することが普通ではない」ということは理解しておかなければいけません。

リクイディティ・プロバイダーを公開していない海外FX業者ではトレーダーからの質問に回答しない(回答できない)ことが普通だということを理解しておきましょう。