MT4・MT5の残高や有効証拠金、必要証拠金、余剰証拠金、クレジット計の意味と計算方法を教えてください。 目次

  1. FX・CFDの証拠金に関する用語と意味
    1. スマホアプリや英語表示で変わる証拠金の表現
  2. FX・CFDの証拠金の詳しい意味と計算式
    1. 残高とは?
    2. 有効証拠金とは?
    3. 必要証拠金とは?
    4. 余剰証拠金とは?
    5. 証拠金維持率とは?
    6. クレジット計とは?

海外FX業者 XM(XMTrading)のMT4とMT5の証拠金に関する各表示項目の意味と計算式

FX・CFDの証拠金に関する用語と意味

以下は、MT4(メタトレーダー4、MetaTrader4)やMT5、海外FX業者の会員ページなどで使われる証拠金に関する大切な用語です。

意味
残高 トレーダーが出金できる証拠金
有効証拠金 オープンポジションの含み益などを含む取引口座内のリアルタイムの証拠金
必要証拠金 注文時に必要となった証拠金
余剰証拠金 有効証拠金から必要証拠金を除いた金額で、新しい注文に使える証拠金
証拠金維持率 必要証拠金に対する有効証拠金の割合。必要証拠金 = 有効証拠金なら100%
クレジット計 出金できないボーナス
FX・CFDでは、取引に関係するお金を証拠金や取引証拠金といいます。そして、証拠金は上記のようにいくつか分類わけされます。

各証拠金の詳しい解説は、後述の残高とは?有効証拠金とは?必要証拠金とは?余剰証拠金とは?証拠金維持率とは?クレジット計とは?をご確認ください。

スマホアプリや英語表示で変わる証拠金の表現

同じ証拠金に関する用語でも、MT4やMT5(メタトレーダー5、MetaTrader5)、海外FX業者の会員ページ、スマホアプリなどの違いで表現がわかります。

以下は、MT4・MT5のスマホアプリの証拠金の表示例と英語での表示例です。

パソコンソフト スマホアプリ 英語表示
残高 残高 Balance
有効証拠金 有効額 Equity
必要証拠金 証拠金 Margin
余剰証拠金 可能額 Free Margin
証拠金維持率 証拠金率 Margin Rate
クレジット計 クレジット Credit

例えば、日本語訳された海外FX業者(海外FXブローカー、海外FX会社)の公式サイトで、バランスと書かれていると残高のことですし、エクイティーと書かれていると有効証拠金のことですし、マージンと書かれていると必要証拠金のことになります。

バランス(残高)とエクイティー(有効証拠金)、マージン(必要証拠金)の違いには、ご注意下さい。

FX・CFDの証拠金の詳しい意味と計算式

以下は、MT4やMT5、海外FX業者の会員ページで表示されるFX・CFDの各証拠金の計算式です。

  • 残高 = 入金額 – 入金手数料 +/- 決済した注文の損益やスワップポイントでの損益、配当金調整額
  • 有効証拠金 = 残高 + クレジット +/- 決済していない注文の含み益や含み損やスワップポイントでの損益、配当金調整額
  • 必要証拠金 = コントラクトサイズ × 注文したロット数 ÷ レバレッジ など
  • 余剰証拠金 = 有効証拠金 – 必要証拠金
  • 証拠金維持率 = 有効額 ÷ 証拠金 × 100
  • クレジット計 = 受け取ったボーナス額

そして、次に証拠金ごとに詳しく解説します。

残高とは?

FX・CFDの残高(Balance、バランス)とは、トレーダーが出金できる証拠金です。

計算式は、残高 = 入金額 – 入金手数料 +/- 決済した注文の損益やスワップポイントでの損益、配当金調整額です。

入金すると、残高と有効証拠金余剰証拠金に入金額が反映されます。

ただし、入金手数料が発生した場合は、入金額から入金手数料が差し引かれた金額になります。

また、残高には決済した注文で確定した利益を損失が反映されます。

注文決済時に利益が出ていれば残高は増えますし、注文決済時に損失が出ていれば残高が減ります。

有効証拠金とは?

FX・CFDの有効証拠金(Equity、エクイティー)とは、ボーナスやオープンポジションの含み損益を含むリアルタイムの証拠金の合計です。

計算式は、有効証拠金 = 残高 + クレジット +/- 決済していない注文の含み益や含み損やスワップポイントでの損益、配当金調整額です。

オープンポジションとは、決済していない注文のことです。未決済注文とも言います。

例えば、海外FX業者から証拠金として使えるボーナスを受け取った場合、残高は増えませんが、有効証拠金と余剰証拠金が増えます。

そして、注文後、決済前の損失(含み損)や利益(含み益)も有効証拠金に反映されます。

オープンポジションのスワップポイントによる損益や配当金調整額なども有効証拠金にはリアルタイムで反映される為、注文をしたら有効証拠金が自動的に上下します。

有効証拠金は出金できないボーナス額やオープンポジションの含み損益などを含んでいますので、有効証拠金の金額が全額出金できるわけではありません。

「スワップポイント(スワップ金利)で受け取った利益だけを出金できない」という意味は、有効証拠金には損益がリアルタイムで反映されますが、損益が確定していないオープンポジションだからです。

参考:有効証拠金が自動的に減ってしまう理由と原因 – スワップポイントと配当金調整額に注意

必要証拠金とは?

FX・CFDの必要証拠金(Margin、マージン)とは、今のオープンポジションを持つために注文時に必要だった証拠金の合計です。

計算式は、必要証拠金 = コントラクトサイズ × 注文したロット数 ÷ レバレッジ などです。

必要証拠金は、注文時に増えて、決済時に減ります。

それ以外のタイミングでは一切変化しません。

必要証拠金の計算式は、銘柄ごとに違う

海外FX業者では1つの取引口座で、ドル円などのFX通貨ペアや金、原油、日経平均株価、米国株、仮想通貨などのCFDも取引できます。

ただし、全ての銘柄で必要証拠金の計算式が同じではありません

FX通貨ペアでもエキゾチック通貨を含むマイナー通貨ペアではレバレッジ制限がかかっていることがありますし、証拠金率が決まっているCFD銘柄もあります。

以下は、XM(XMTrading)での必要証拠金の計算式の例です。

必要証拠金の計算式
主なFX通貨ペア コントラクトサイズ × ロット数 ÷ レバレッジ = 必要証拠金
金・銀 コントラクトサイズ × ロット数 ÷ レバレッジ × 市場価格 = 必要証拠金
原油や日経平均株価、小麦など コントラクトサイズ × ロット数 × 証拠金率 × 市場価格 = 必要証拠金

FXでも一部のFX通貨ペアはレバレッジ制限がかかっており、口座開設時に設定した888倍などのハイレバレッジでは取り引きできません。

MT4とMT5では注文する前に必要証拠金がいくらか表示されない

海外FX業者 Axiory(アキシオリー)の日本語公式サイトのFX計算ツール「取引計算ツール」。全銘柄、全取引条件の無料シミュレーション

MT4・MT5を使い始めたトレーダーから問い合わせを受ける質問が「レバレッジは何倍ですか?」と「必要証拠金はいくらですか?」です。

注文画面では、取引する銘柄のレバレッジが何倍(証拠金率が何%)か分かりません。

取引口座のレバレッジの確認方法は、MT4・MT5でレバレッジを確認する方法をご確認ください。

そして、MT4・MT5の注文画面には、これからしたい注文の必要証拠金も表示されません

例えば、Axiory(アキシオリー)XM(XMTrading)の日本語の公式サイトにFX計算ツールを使って事前に計算すると、必要証拠金を簡単に計算できます。

海外FX業者 XM(XMTrading)の公式サイトにある無料のFX計算ツールの使い方

余剰証拠金とは?

FX・CFDの余剰証拠金(Free Margin、フリーマージン)とは、有効証拠金から必要証拠金を差し引いて証拠金の合計で、これからする新しい注文に使える証拠金です。

計算式は、余剰証拠金 = 有効証拠金 – 必要証拠金です。

余剰証拠金は、オープンポジションを持っている限り有効証拠金がリアルタイムで上下しますので、有効証拠金の増減にともない一緒に増えたり減ったりします。

新しい注文を出したい時は、余剰証拠金がその注文に必要な証拠金分だけあるかを確認する必要があります。

証拠金維持率とは?

FX・CFDの証拠金維持率(Margin Rate、マージンレート)とは、必要に対する有効証拠金の割合です。

計算式は、余剰証拠金 = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100です。

証拠金維持率だけは、日本円や米ドル、ユーロなどの通貨単位ではなく、%(パーセント)になります。

以下は、証拠金維持率と有効証拠金必要証拠金の例です

証拠金維持率 有効証拠金 必要証拠金
200% 10万円 5万円
100% 5万円 5万円
50% 2.5万円 5万円
0% 0円 5万円

マージンコールとロスカットのトリガー

FX・CFD証拠金維持率は、マージンコールとロスカット(ストップアウト)に関係します。

マージンコール(Margin Call)とは、証拠金維持率が下がってきたときに追加入金(追加証拠金)が必要ですよ、というアラームです。

マージンコールライン以下の証拠金維持率になった場合、追加入金をしないと新しい注文が出せなくなります。

そして、ロスカット(Loss Cut)とは、証拠金維持率が大きく下がったときに、それ以上の損失を防ぐために強制決済を行う保護機能です。

ロスカットは含み損の大きいオープンポジションから順番に決済されている行く方法が一般的です。

ロスカットは、ストップアウト(Stop Out)とも呼ばれます。

クレジット計とは?

海外FX業者は、FX・CFDの証拠金としてだけ使えるボーナスを提供することがあります。

取り引きにだけ使えて出金できないボーナスは、MT4・MT5のクレジット計に反映されます。

ボーナスクレジットなどのような言い方をする場合は、MT4・MT5のクレジット計またはクレジットに反映される出金できないボーナスという意味になります。

XMの会員ページの例

海外FX業者 XM(XMTrading)の会員ページにあるクレジットとは、出金できないボーナスのこと。

海外FX業者 XM(XMTrading)の会員ページにも、受け取ったボーナス額は、クレジットに表示されます。

クレジットに反映されたボーナスは、有効証拠金余剰証拠金証拠金維持率に影響しますが、残高には影響しません。

クレジット(ボーナス)が減る理由と原因

多くの海外FX業者がボーナスを提供していますが、クレジットに反映されたボーナスの使い方・減り方は海外FX業者ごとに違います

口座開設ボーナスを提供している海外FX業者の多くは、残高が0円でもクレジットにボーナスが残っていれば取り引き出来ます。

海外FX業者の中には、クレジットにあるボーナスが取引証拠金としてしか使用できないボーナスもあります。
その場合、例えば残高が0円以下になってゼロカットされたらクレジットにあるボーナスも消えます。

また、クレジットにあるボーナスの多くが出金と共に消えますが、1円でも出金したらボーナスが全額消える海外FX業者や出金額と残高の割合でボーナスの一部だけが消える海外FX業者などがあります。

そもそもボーナスに反映されないボーナスもあります。その場合、多くがキャッシュバック式のボーナスで、10ロット取り引きしたら1万円のボーナスであれば、10ロットの取引後に1万円のボーナスが残高またはクレジットに反映されます。

FX・CFDの証拠金について理解できたら、利益と損失の計算方法についてもご確認下さい。