各国の景気動向

一般的に、その国の景気が拡大すると国際競争力が増して貿易収支の黒字が拡大し、または赤字が縮小するものと考えられます。

つまり、その国の通貨が強くなると考えられるわけです(円高)

しかし、外国為替相場で通貨が強くなりすぎると輸出企業は自国通貨での受け取りが減少しますから、輸出先での商品価格の引き上げを考えるようになります。

景気動向

そこで、商品の国際競争力の問題が浮上します。

日本の場合は原材料のほとんどを輸入に頼っていますので、円が強くなる(=円高)と輸入価格は安くなります。対して、輸出価格はその逆になります。つまりは、相対的な関係になるわけです。

このような各国の景気については、消費者物価指数や景況指数、雇用統計や失業率などの指標によって測ることができるといわれています。

金利と通貨価値

金利上昇による円高の仕組み

日本の金利が上昇すると、他国金利と比較され円の魅力が高まり、相対的に円が強くなるといえます。

金利と為替の関係

このように国内の金利が海外の金利より高いときには、海外でも日本の銀行に円で預金したい人が多くなります。

その結果、円は買われ円高になります。

金利低下の場合は

反対に金利が低下すると、円資産を持つよりは他国通貨の資産を持つ方が有利と考え、その他国通貨を買うことになります。

その結果円は売られ円安になります。

景気と金利の関係

景気の強さを示唆する経済指標が発表されると、債券相場が下落することから推測されるように、一般に景気が拡大傾向にあるとき金利は上昇基調をたどります。

景気が拡大している時期は、需要が旺盛なため資金需給がタイトであること、物価にも上昇圧力がかかりやすいことなどがその理由と考えられます。

同じ金利であっても、短期金利は資金需給動向や金融政策などの影響を受けやすく、長期金利はインフレ動向や物価動向に影響されやすいという特色があります。

貿易黒字・貿易赤字

貿易黒字は通貨高へ

貿易黒字とは、簡単にいうと日本の品物がたくさん海外で買われているということです。

つまりたくさんの人が日本の製品を買うために円を手に入れようとしている状態と同じなのです。

よって、貿易黒字が増えると円高が進むことになります。

貿易赤字は通貨安へ

同様に、貿易赤字とは、日本が海外の品物をたくさん買っているということです。

つまりたくさんの人が海外の製品を買うために円を売って外貨に替えている状態と同じです。

このように、貿易赤字が増えると円安が進むことになります。

各国経済

日本の経済が安定し、成長を続けているときには、日本の銀行にお金を預けたり日本の株を買う人が増えます。

よって、円を手に入れようとする人が増えて円高が進むことになります。

逆に、日本の経済が不安定なときには、日本の銀行や日本の市場から投資を撤退する人が増えます。

これを「資本逃避」といいます。

「資本逃避」によって、円を外貨に替える人が増えて円安が進むことになります。