日銀が発表するさまざまなデータの中に個人が保有する投資信託の合計額があるが、それが30兆円以上という膨大な単位で間違っていたことが明らかになった。

個人による投資信託の保有額がこれまで知られていたよりも30兆円以上も少なかったことに、証券業界は衝撃を受けている。

問題はゆうちょの保有額

日銀は毎年膨大な数の統計を発表する。

そしてその中に、3ヶ月ごとに発表される「資金循環統計」というものがある。

これは日本全体のお金の動きを把握するための統計で、個人・企業が持つ金融資産の金額がまとめられて発表される。

ここで言う金融資産とは、現金の他に

  • 株式
  • 投資信託
  • 保険
  • 債券

など資産価値を持つ多くのものが含まれる。

個人が保有する投資信託の総額を過大統計

そして資金循環統計でまとめられる統計の1つに、個人が保有する投資信託の総額がある。

この統計データにおいて、最近になってこれまで発表されていた金額が間違っており、30兆円以上も誤って過大に計上していたことが明らかになった。

言い換えると、個人の投信信託の保有額が実際は30兆円以上も少なかったことになる。

なぜこのような間違いが?

ではなぜこのような間違いが起こったのか?

日銀が個人の投資信託保有額を計算する際は、日本で発行される投資信託全体の金額から、金融機関など法人の保有する金額を引いて計算するという方式をとっている。

ところがこの金融機関の保有額を間違って計算していたことがわかった。

間違いは特にゆうちょ銀行の保有分に関して存在していた。
ゆうちょ銀行の保有する金融資産の中で、これまで「外国債券」として分類されていたものが、実は投資信託が含まれていたことがわかったのだ。

その差は33兆円

すでに述べたように、日銀は投資信託全体の金額から金融機関の保有額を引いて個人の額を計算する。
そのためゆうちょ銀行が保有する投資信託の金額が膨らむと、個人の保有額は結果として減少する。
それが30兆円以上もあったというのだ。

2017年末時点での個人の投資信託保有額は、これまで109兆円程度だとされていた
しかし今回の間違いを修正してみると、わずか66兆円しかなかったことがわかった

その差は33兆円にもなる。

すぐに株式市場が暴落するというものではない

この間違いがあったからといって、すぐに株式市場が暴落するというものではない。

しかし証券会社にとっては、自分達の投資信託の営業が上手くいっていなかったことを意味する

そういった意味で衝撃的な修正になる。

これまでのデータでは個人の金融資産に占める投資信託の割合は、2012年から17年まで一貫して上昇していると思われていた
しかしこの修正によって、2014年をピークに実際には低下していた

30兆円以上とはなんともお粗末な間違いだが、すでに間違いだったとわかった以上は、正しい数字を見ていかなくてはならない。

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