今年末までに登録の義務

国民の資産や税金を管理するための新しい番号制度として、マイナンバーが2016年1月に導入された。導入からすでに3年近くが経過したため、マイナンバー自体はすでにかなり生活に浸透してきた。

そして証券業界については、政府は全ての証券口座に対して2018年末までにマイナンバーを登録する義務があると述べてきた。しかしその期限まであと2ヶ月弱と迫ったが、まだまだ登録されていない口座が多くあると言われる。

野村総研が今年9月に行なった調査では、証券会社の口座でマイナンバーが登録されているものは全体の約70%。銀行の口座ではなんと約50%にとどまるという結果だった。なお銀行の預金口座については今年末までのマイナンバー登録義務はないので、ここで言う銀行の口座とは、銀行の投信の口座になる。

ちなみに後からマイナンバーを提出して登録する義務があるのは、マイナンバー導入前の2015年以前から存在している証券口座のみ。2016年以降に証券口座を開設する場合は、開設時にマイナンバーの提出が義務づけられている。

そして2015年以前から存在する口座だが、すでに述べたように多くがマイナンバー未登録のまま残っている。このまま証券口座にマイナンバーを登録せずに2019年になったら、どうなるのだろうか?

通常の証券口座ではなくNISAに話を移すと、NISA口座は2017年9月までにマイナンバーを登録しないといけないとされていた。そしてその期限までに登録していない口座は、2018年以降NISA口座を使った取引ができなくなった。取引をしたい場合は、再度NISA口座の開設をしなくてはならない。その場合はマイナンバーの提出が必要になる。

NISAは少し別の話だが、では2018年末までにマイナンバーを登録していない通常の証券口座はどうなるのか。実際のところ、マイナンバーを登録しなくても罰則などは決められていない。だからマイナンバー登録がなくても、2019年1月以降取引ができなくなることはない。

証券会社の中には個別対応として2019年1月以降の取引を制限するところもあるかもしれない。しかし証券業界全体として、マイナンバーの提出がないと来年以降取引ができないということはない。

という状況なので、マイナンバーを提出していなくても過度に心配する必要はない。しかし一度マイナンバーを提出した口座はそのまま登録済として残るし、今は新規口座開設にもマイナンバーが必要になる。そのため今後少しずつでもマイナンバー登録口座が増えて行けば、だんだんと登録率100%に近付いていくことだろう。

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