2010年にMT5が提供開始されても依然として、FX業界ではMT4が一番人気で、世界で最も利用されている取引ソフトです。
その理由として、海外FX会社側が、MT4からMT5の切り替えに対して、準備が出来ていないとも言われています。
ここでは、なぜMT5への切り替えが進まないのか、という理由を
- MT4からMT5の歴史
- MT4とMT5の異なる特徴
- 市場におけるMT4の重要性
の順番で、解説します。
MT4/MT5開発のMetaQuotesとは
まずは、MT4およびMT5のオリジナルを開発し、提供元として知られてるMetaQuotesついて紹介します。
MetaQuotesは、キプロスに拠点を置く、ロシア発のソフトウェア会社です。
MetaQuotesが主に開発するソフトウェアが、個人投資家 (個人トレーダー/リテールレーダー)向けの取引ソフトで、MT4およびMT5となります。
十数年ほど前に、MT4 (MetaTrader4/メタトレーダー4)が開発・提供開始されました。
以来、MT4は、FX取引やCFD取引 (差額決済取引)など、デリバティブ商品の金融取引をする個人投資家の間で、一番人気のソフトとして、扱われてきました。
また、日本にも、株式会社メタクオーツ・ソフトウェア・ジャパンというグループ会社があります。
MT4から進化を遂げる取引ソフト
現在では、MT4の次の取引ソフト (取引プラットフォーム)として、MT5が提供されています。
さらに、FXのようなオンライン取引では、旧タイプとも批判されるMT4に変わる、cTrader (Cトレーダー)、webTrader (ウェブトレーダー)など、新しい次世代ソフトが次々と開発されています。
しかし、15年ほど前に提供開始されえたMT4が、世界のFX業界で爆発的ヒットをして以降、現在でも多くの海外FX会社 (海外FX業者/海外FXブローカー)でMT4の採用をし、主要取引ソフトとしておススメされています。
MT4の開発・提供は終了済
MetaQuotesは、2018年1月に、今後のMT4の開発および新規提供を行わないことを公式アナウンスしました。
また、MetaQuotesとしては、2016年頃から、MT5 (MetaTrader5/メタトレーダー5)のシェアを拡大し、MT4からMT5へ切替るように進めています。
具体的には、MT5より、MT4のライセンス料を引き上げるなどの取り組みを行っています。
MT4とMT5の性能・能力比較
MT5は、MT4でのエラーやバグなどの解消に加えて、処理速度の改善により、MT4と比べると動作スピードが速いという強みがあります。
ここで、MT4とMT5の違いを、一覧にまとめます。
MT4 | MT5 | |
---|---|---|
取引可能な銘柄 (適応する市場) | FX通貨ペア CFD銘柄 | FX通貨ペア CFD銘柄 商品先物 株式 |
タイムフレーム (設定可能な時間足) | 9種類 | 21種類 |
予約注文の種類 | 4種類 買い指値注文 売り指値注文 買い逆指値注文 売り逆指値注文 | 6種類 買い指値注文 売り指値注文 買い逆指値注文 売り逆指値注文 ストップリミット注文 (買い注文/売り注文) |
両建て (ヘッジング) | ヘッジングのみ | ヘッジング および ネッティング |
テクニカルインジケーター (標準) | 30種類 | 38種類 |
自動売買ソフト (EAなどの外部ソフト) | 豊富 | 少ない |
デプスチャート (Depth of Market) | ×: なし | 〇: あり (市場の深さ) |
エコノミックカレンダー (経済カレンダー内蔵) | ×:なし | 〇: あり |
注文処理タイプ (Order Execution Type) | 3種類 | 4種類 |
表示タイプ | 31種類 | 44種類 |
自動売買ロボットのバックテスト環境 (自動売買ソフトテスター) | シングル (単一条件) | マルチ (複数条件) |
口座間振替 (口座間資金移動) | ×: 不可能 | 〇: 可能 |
プログラミング言語 | MQL4 | MQL5 |
MT5は、MT4より魅力的で優れている
MT4では、既に多くの自動売買ロボット (EA/エキスパートアドバイザー)などの拡張機能が既に広く普及しています。
そして、プログラム言語が異なることから、いずれもMT4専用のソフトとなり、MT5への適用ができないというデメリットが克服できてい無い現実があります。
それでも、上記のMT4とMT5を比べた一覧からもわかると通り、MT5の標準的な能力は、MT4より優っています。
MT5の評価・評判は、MT4採用企業でも理解されており、今後、標準機能の勝るMT5とMT4は肩を並べて、MT5を選択して取引しても十分満足のいく取引が出来る、MT4以上のスペックを持っているということが少しづつ理解されていくと予測されています。
需要と供給がマッチしないMT5
MT4採用企業、MT5採用企業側の思惑と反対にあるのが、トレーダー側の需要です。
MT4とMT5では、いまだに、多くのトレーダーがMT4を選択している現実があります。
それは、インターネットでの口コミを見れば一目瞭然です。
MT4は業界に必要な取引システム
海外FXは、だれでも、手軽に、PC一つで始められる少額投資のため、副業としても有名です。
それが、少額投資といえ、投資という世界であることは変わりません。
トレードでは、一秒で大きな利益も、損失も発生します。
そのツールとして、まだ実績の少ないMT5に対して、これまで数十年と安定してサービスが提供され、多くのコミュニティーや愛好家がいるMT4を選ばれるのは当然です。
やすひこのコメント
2020年12月9日
日本からの新規口座開設は不可能になりました。 > 自分には通知が来てない。。。今のところ使ってないけど、今持ってる口座も使えなくなるんですかね