先週のニュースですが、黒田総裁の一言「ここからさらに…円安に振れるということはなかなかありそうにない」により、円安が一時的に止まりました。
(止まるだけではあきたらず、2円ほど円高にふれてしまいましたが。)

アメリカの利上げ次第では、円安最後の最高値までいくと予測されるドル円も大切ですが、今回は、目先もっとも気になるギリシャ問題について整理していきます。

ギリシャ問題は対岸の火事ではない

ギリシャ問題は、日本にとって対岸の火事ではなく、どう転んでも日本市場も巻き込まれるリスクが大きい問題です。

特にFXトレーダーにとっては、スイスフランを超える今年一番の大事件となると思います。

ギリシャ問題・ブリーフィング

簡単に今の状況を確認しましょう。

IMFへの16億ユーロの返済期限は、あと2週間とせまっています。

決定権はギリシャ政府側にあり、現実的なオプションは以下の3つです。

  1. ギリシャ・デフォルトとともに債務不履行を認める
  2. 債権団の案に妥協し、言いなりとなる
  3. ユーロ圏からの離脱

16億ユーロは、日本円にすると2200億円以上という巨大な額です。
この金額をあと2週間で準備するというのは、いくら一国家といえど非常に困難です。

※IMFとは、国際通貨基金の略で、金融市場の安定を目的とした国際機関です。

ギリシャのスケジュール

ここで、ギリシャのスケジュールや方針も振り返っておきましょう。

6月14日 (日曜日)
ギリシャは、債権団の話し合いを行いました。
ギリシャ問題を解決する協議のはずが、何も変わらず。

ギリシャ首相は「年金削減は、あり得ない」とコメント。
加えて、ギリシャから交渉再開のために新たな提案をすることはないと明言。

債権団側からの交渉案は、実はすでに大きく妥協を織り込んであり、ギリシャの返事待ちという状況のようです。

6月15日 月曜日
もちろん週明けは、世界中のFXアナリストによる非常事態宣言があふれます。
ヨーロッパ各国の偉い方々も、非常事態に備えましょうとコメントを寄せています。

一方で、ドラギ総裁はギリシャへのELAおよび関連する支援について、ECBの基準を満たしている限り止めることはないとのコメント。

※ELAとは緊急流動性支援のことで、欧州中央銀行から各銀行への資金提供を行なう支援のことです。
※ECBとは欧州中央銀行のこと。

しかし、「ギリシャが最終的に資金調達できないのであれば、支援はないかもしれない」と脅かすコメントも。

6月18日 木曜日
ギリシャ首相は、ロシアへの訪問と経済フォーラムへの出席し、プーチン大統領との対談しました。

一方でEU各国では、ギリシャについての追加協議が行われました。

ギリシャが18日までに新たな解決案を提出しなければ、最終通告となると噂されてきましたが、結局さらに12日の猶予が与えられ、6月30日が16億ユーロの新たな返済期限となりました。

6月29日
ギリシャの銀行休業を宣言!

これは、ギリシャ国民の預金口座が全て凍結されたということです。
ATMでの引き出しは1日60ユーロ(約8000円)まで、送金にも制限がかかります。ELAからの支援資金が底をつき、全ての個人口座にまで影響がついにでてしまいました。

6月30日
ギリシャが債権団へ支払いを行なうか、行なえず、デフォルトするか。

最終通告とともに、ギリシャに残された道は、以下の2つのみと予想されます。

  1. 債権団の方針に従いギリシャ再建を目指す
  2. ユーロから離脱する
7月5日
最後の国民投票

この世界が恐れていた国民投票が7月5日に予定されています。

つまり、ギリシャがユーロ圏にとどまることに賛成か反対かを問うもので、これこそがこの数年間にわたるギリシャ問題に終わりを言い渡すイベントとなると考えられます。
(実際に、この結果が終わりとなるか始まりなのかは判断がむずかしいところではありますが…)

ギリシャの応答を待つ世界経済。
世界経済の歴史に残るニュースになるのか、ただの延長になるのか、市場は依然緊張状態です。

さらに荒れるギリシャ

EUの債権団、ドラギ総裁、ギリシャ首相、プーチン大統領、そしてギリシャ国民と、多くの方が当事者としてこの混乱に巻き込まれ、さまざまなギリシャ情報が報道されています。

実際の協議からの引用もあれば、レポーターやアナリストの予測も多く、さらに内部情報の多さも不透明感を高める要因となっています。

FXトレーダーにとっては、またとない体験とともにリスク回避(もしくは取引チャンス)という局面となっていますね。

ギリシャ問題がFX市場へあたえる影響

日本株へのダイレクトな影響は無いとしても、日本円ではEUR/JPYをはじめとして、全ての通貨ペアで2次的影響を被ることは避けられないでしょう。

すでにリスク回避のために売りに走り出した銘柄も確認されています。

最後に、30日に明らかになる事実は、市場へどのような影響を与えるか、大まかな予測を立ておきましょう。

パターン 1 – 結局引き延ばし
ギリシャが妥協に合意、交渉の延長の場合。
時間稼ぎとともに何も決まらない結果。

もちろん、6月末の期限を前にした判断となります。
引き延ばしをほのめかすコメントは30日以前に確認されるかもしれません。

その場合、さらにユーロの下落が進み円高への影響をもたらす可能性があります。

パターン 2 – デフォルト
ギリシャと債権団の交渉決裂。
16億ユーロの返済不可を認める結果。

実は、もしデフォルトを公表する事態に陥っても、また、さらに1ヶ月の猶予が与えられます。
しかし、それでも1ヶ月後に返済ができなかった場合のユーロとの別れは確実視されています。

ギリシャがデフォルトとなれば、ユーロが大きく売りに傾く可能性もあります。

パターン 3 – ギリシャがEUの言うなりに
ギリシャが妥協し、債権団の交渉案を受け入れる結果。

ユーロ圏から多額の資金援助が行なわれ、ユーロ圏全体の経済復興を目指すこととなります。

しかし、その場合には、ギリシャ国民や政治団体のたまる怒りもあって、ギリシャのチプラス首相は失脚は免れないとの予想です。
ユーロ通貨への影響は、妥協の程度次第というところでしょうか。

現在のボール(決定権)はギリシャ側にあり、今後、明確な行動と意思を示さなければいけないのもギリシャ。

ギリシャの決断に世界中が注目しています。