結局だれも学ばない

2015年6月中旬ごろからCSI300指数が暴落し、政府の対応のおかげで一段落着いたかと、どうみても怪しい雰囲気を見せる中国経済。

※CSI300指数とは、中国のトップ300銘柄からなる中国の株価を代表する指数です。

現段階は、日本が1989年に経験したバブル崩壊と同様の始まりにも映ります。

世界が過去に経験したバブル経済を振り返っても、やはり同じ道を歩む中国。

対する中国政府の対策には多くの疑問の声が上がっているようです。

中国バブルは日本とは異なる

バブル経済の検証は、まずはお金の流れを突き止めることでしょう。

中国のバブル経済そのものは、不動産市場からの資金流入が最大の原因とみる考えが有力です。

中国株はおよそ1年の間、上昇を続けました。その間、不動産市場は1年の後退。

先月の中国株式が最高値を記録した際には、不動産市場は落ち着いていましたが、今月は逆行。

株価が下降する際には、不動産価格が上昇する傾向です。

もし、中国経済の足かせとなる要素が不動産市場であるなら、日本が経験したバブル経済とは全く異なる結果を生むのでしょう。

急遽の景気拡大、株式市場と不動産市場の高値更新でバブル経済となり、全てが共に引きずりあい崩壊した日本バブルの負のスパイラルと比較すれば、中国バブルは、ただ単純に市場をまたぎ、資金の移動でシーソー型に支えあっているだけのように見えます。

中国政府の暴走

先月から続く今回のバブル崩壊不安において、中国政府が行った主な対策を確認してみましょう。

  • 中国大手証券会社に1200億元(約2兆5000億円)以上のETF購入強制
  • 新規株式公開の中止
  • 市場の40%以上を占める個人投資家の株式売却禁止

※ETFとは、Exchange Traded Fundの略称ですが、投資方法の一種です。中国はETFを買い占めることで、上昇トレンドを作り出そうとしたとみられています。

※IPOとは新しい企業が、証券取引所に上場し株式の発行を始めることです。非流通株(誰も買わない株)を減らすために、過去にも実施されました。

特に7月に入り、上記のような対策が、中国政府の暴走だと被害を訴える方のニュースも多く発信されていますね。

中国経済、全盛期は過去の話

GDP、輸入数量、工業生産額、その全てにおいて経済成長の減速もしくは停滞を示す数字が並び、中国経済の本質はどうなのかと疑う方は多く、中国経済の成長を今も信じる投資家は少ないかもしれませんね。

中国経済のケースは、日本経済のようにバブル崩壊後の安定期としての道も既に無く、今後の継続的な経済の下降への入り口と予測するアナリストもいます。

この他の要素

新たな要素ですが、中国国内での銀行融資がここ1年間で14%と、急伸していることがとても気がかかりです。

さらに、香港からの中国債権への投資も4300億ドルと膨らみ、一部不良債権化からの他社債権暴落などが引き起こしかねず、その時の影響は中国国内だけに収まらないと想像できます。

中国が発表するデータでの不良債権数は1.0%ですが、日本やヨーロッパ各国からの検証では10%越えは確実との見方もあります。

なぜ、債権の質が全く証明されていない中で、これほどまでの投資となったのか?と疑問もわきますが、ここ数年の中国バブル景気のニュースの雰囲気に乗かってみたのかもしれませんね。

日本株へも何かある?

7月8日は、日本株も多少の影響を受けましたが、日頃から、中国株と日本株の関連は薄いというのは周知の事実かと思います。

そのため、中国のバブル崩壊が、この先、数年かけて徐々に進行するとなれば、日本株への影響はほとんど無いのではないかと考えられます。

まさに対岸の火事と収めたいところですが、日本株保有中の企業が今後もメディアの宣伝通りに売買を進めるとなれば、7日のような乱高下はこれからも頻発すると想像できます。